妊婦と読書 ― ことばは、今も。
本好きOLが妊婦になりました。妊娠生活と、読書記録を綴ります。
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田村正之「”税金ゼロ”の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資」(日本経済新聞出版社)


以前、「ライフ・シフト」を読んで、これからの長寿社会において資金計画が重要であること、そして日本人は投資に消極的でマネーに関する知識に乏しいことを痛感し、つみたてNISAやイデコにトライしてみようかと思い、購入。
本書ではつみたてNISA、一般NISA、イデコ、企業型確定拠出年金などについて初心者向けに広く浅く紹介されている。ただ、一部説明が不親切だなと感じる部分があったり、情報があちこちに散らばってしまったりしているので、まったく何の情報も知らずにいきなりこの本を読むと厳しいかもしれない。また、信託それぞれの特徴や選び方などはそこまで詳しく書かれていないので、では実際に何の商品を購入するか、という段階になったらこれ一冊だけだと不安がある。本書をもとに金融機関のサイトなどを見ながら検討を進めていきたいと思う。

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野村浩子「女性に伝えたい 未来が変わる働き方」(KADOKAWA)


女性が働くということについて、様々なデータや取材を通じ、あらゆる方面からつづった本。仕事と家事・育児、専業主婦、総合職と一般職、正規雇用と非正規雇用、シングルマザー、起業家、これからの働き方、と非常に幅広いテーマで現状がとらえられており、とても勉強になる。筆者は元「日経WOMAN」編集長ということだけあって、共感、実感できる部分が多く、興味深かった。
特に印象に残った点を下記に箇条書きする。

・長時間労働が常態化している職場ほど子育て社員が浮いてしまうので、まずは長時間労働を是正しなくてはいけない。 →これは実感できる。忙しい職場では定時で帰るだけで目立ってしまうので、いわんや子育て中の時短勤務社員をや、である。
・日本人女性は他国と比較して家事労働に時間を費やしすぎている。 →これも実感としてある。もっと楽をすることが当たり前になってもよいのではないか。しかし本書で紹介されている香港の例のように家事を外国人ヘルパーに任せるというのは果たして良いことなのだろうか。先進国の女性のために途上国の女性が犠牲になる女女格差につながらないか?と少しひっかかった。
・もはや専業主婦はあこがれの存在。「VERY」の読者ですら2人に1人が働いている。→男性社員の賃金が下がり続けている今、専業主婦でいることは難しく、「ぜいたく品」となりつつある。
・主婦パートが扶養の枠内で働くために「就業調整」することが、パート社員が低収入での就業を続けることになる遠因となっており、独身女性パート、男性パートの生活困窮を招いている。
・一般職と総合職の差がなくなってきている。 →地域限定総合職などの中間職や一般職から総合職への移行が増えている。

男女雇用機会均等法が施行されてからのこの30年間の女性の奮闘ぶりをまとめた章も興味深く、我々下の世代に道を切り拓いてくれた先人たちには頭が上がらない。
そして、今後の女性の働き方を考えるうえで心配なのが、一般職やパートが請け負っている定型的な仕事が人工知能に置き換わっていくのではないかということだ。人工知能の広まりにより、特に女性の雇用にまず影響が出そうなので心配である。

働く女性の現状分析の本としてはとても面白いが、これからの働き方に関する提言の部分が少なく、特に目新しい情報もないので、タイトルと内容がマッチしていない気がした。女性の生き方が多様化して良い面もあるが、ワーキングマザーと専業主婦、既婚者と未婚者のどちらも生きにくさを感じるようになっている面もあるような気がする。各々がより自分らしく、よく生きられる社会になると良いなと思う。
新井紀子「AI vs 教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)


人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」のディレクタを務める著者が、近未来のAIの可能性と限界について書いた本。
私は「東ロボくん」の講演会を2年連続で拝聴していたため、その研究内容や結果については既に知っていることが多かったが、本書では「東ロボ」の研究だけではなく、AIの歴史や仕組みについても広く解説されているため、とても勉強になった。
現在MARCH合格レベルにまで達している「東ロボくん」だが、東大合格はほぼ不可能だと考えられている。データ収集の限界などその原因がいくつか挙げられているが、何より、AIは意味を理解できず、数式に書き換えて計算できることのみを取り扱え、一定の枠組みの中でしか機能しない、というのがその大きな敗因である。同様の理由により、筆者は「シンギュラリティは来ない」と繰り返し主張している。しかし、だからと言って安心はできない。現在人間が行っている仕事の多くはAIに置き換えることが可能である。人間がAIに勝つには、AIにできない仕事―すなわち、高度な読解力と常識、柔軟な判断を要する仕事をこなせるようになる必要がある。ところが残念なことに、全国読解力調査によると現在の日本の中高生の読解力は想像している以上に低く、このままではAIによって仕事を奪われてしまう人間が大量に生まれてしまうのではないか、と筆者は悲観している。

以前講演を拝聴した際には、なぜAI研究の話から日本の子どもの読解力調査の話に突然移ったのか?そして、なぜ国語教育の研究者ではなく数学者が読解力の調査を行っているのか?と疑問に思ったが、本書を読むとその関連性がよく分かった。読解力調査の結果は、今の日本にAIにできない仕事をこなせる人材がどれだけいるかを示す一つの指標になり、且つその調査方法には「東ロボくん」の研究で培ったことが生かされているのだ。
大学時代、国語教育について少々学習した身として、読解力調査の結果には非常に興味を持った。思うに、我々ば久しく国語教育を軽視してきたのではないかと思う。学生時代、国語は勉強しなくても日本語だからある程度はできると言って、現代文をしっかり学習しない者のなんと多かったことか。日本人ならみな、国語は当たり前のようにできると思われてきた節があるだろう。そのツケが回ってきたのではないかと思ってしまう。一方で読解については学習の仕方がよく分からないという面があるのも事実だ。
本書でも読解力の高め方は分かっていないと書かれている。不思議なことに読書量が多ければ読解力が上がる、というものでもないらしい。となればどうすればよいのだろうか。自分はもちろん、子どもにもAIに負けない能力を身につけさせたいものだが、どうしたらよいのやら右往左往するばかりである。
リンダ・グラットン他「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(東洋経済新報社)
昨年、95歳で祖母が亡くなった。亡くなる3か月前まで元気に一人暮らしをしており、残念ながら100歳にはあと5年届かなかったが、まさに「人生100年時代」の生き方を考える機会を与えてくれた祖母であった。そこで、遅ればせながら話題の本書を手に取ってみた。



本書は人生100年時代がやってくるという説を前提にロンドン・ビジネススクールの教授が書いた、健康、資金、雇用、人間関係をはじめとする無形資産などの観点からこれからの生き方を提案する本である。
参考になる点も多々あり、特に仕事や金銭面で漠然と過ごしていてはいけないなと思わせられる一方で、日本の現状にはあまりにそぐわなく、疑問を感じる部分もあった。
全体を通して感じたのは、長寿化の恩恵を受けられるのはごく一部の恵まれた人だけなのではないか?ということである。その恵まれた人とは、健康寿命が長く、常に意欲的且つ計画的に生き、仕事においても様々な挑戦ができる環境と能力に恵まれ、豊かな人的ネットワークを築くことができ、順調にキャリアを重ねられる人である。この本のシナリオに出てくる人は皆優れた能力を持った成功者であり、そこから外れた人は長い人生をどうやって生きていくのかと不安にさせられてしまう。

そもそもはじめの疑問として生じたのは、本当に寿命は伸びるのか、という点である。2007 年に生まれた日本の子どもの50%がなんと107歳まで生きる、とあるが俄かには信じがたい。本書の最後のほうに所得格差による寿命格差について書かれていたが、「100年時代」を迎えられる人自体が限られているのではないかと思ってしまった。

本書で多くのページを割いて取り上げられており、且つ私の関心も高かったのは特に雇用面での変化である。本書によると従来型の3ステージ(教育―仕事―引退)からより多様なステージを踏む方向に変化するという。自分の今後を模索するエクスプローラーの時期、組織に属さず働くインディペンデント・プロデュ―サーの時期、様々な仕事で構成されるポートフォリオ・ワーカーの時期が生まれ、しかもそれらの時期は年齢に紐づかず、個々人が都度それぞれの働き方を選び取っていくようになる、というのだ。
新卒一括採用が中心、中高年の転職が容易ではない今の日本の雇用状況ではなかなか考えにくいが、それぞれのシナリオを興味深く読んだ。ただ、シナリオとして挙げられていたのが18歳~30歳までをエクスプローラーとして過ごす生き方であり、これでは模索期間が長すぎやしないかと疑問に思った。学校教育を受けた後の時間を無為に過ごしてしまう若者が大量に発生しそうだ。また、本書は男性中心に書かれている印象を受けたが、女性の場合は特に出産という年齢制限のある選択があるため、より問題が複雑になりそうだ。先のエクスプローラーの例でいうと、30歳過ぎまでエクスプローラーでいては、いざ本腰をいれて働こうというときには出産のタイミングを逃しているかもしれない。

このようにいろいろと思うことはあったが、自分のキャリアアップのための投資(本書の言葉を借りると、リ・クリエーション)を怠らないこと、資産への意識を高めることは重要だと思ったので、肝に銘じたい。
土居健太郎「10年つかえるSEOの基本」(技術評論社)
SEOの具体的なテクニックなどが書かれている本ではなく、考え方をシンプルにまとめた本。
あっという間に読めてしまうので、私のような全くの初心者が概念を理解するのには良いが、既にSEOについてある程度勉強している人だと物足りないかもしれない。



SEO対策というと、以前問題になったDeNAのまとめサイトのように質の悪いコンテンツを大量に用意したり、キーワード検索に引っかかるよう、日本語が不自然でもよいからとにかくキーワードを大量にちりばめる、といった悪いイメージが強い。
しかし、この本は至極真っ当で、検索する人にとってよいサービスにしよう、質の高いコンテンツを充実しよう、ということを繰り返し述べている。
検索の仕組みもどんどん進化しているため、今後は質の悪いコンテンツ、いわゆるマジックハットSEOは機能しなくなっていく、というのが本書の主張だ。

本書のポイントをまとめると下記の通りである。

1)検索エンジンは「検索する人の質問に回答する仕組み」
SEOの基本的な取り組みは、検索する人にとって「回答」となるコンテンツを用意し、アルゴリズムの選定の結果、優先的に表示されるようにすること。

2)現在はSNSなど検索以外の流入経路が増え、また検索されるキーワードも様々
まず、ターゲットとする人がどのような背景において、どんなキーワードで検索しているのか知る必要がある。具体的なキーワードから、検索者のニーズをうかがい知ることもできる。

3)ページのタイトルが重要、meta descriptionにもキーワードを入れてわかりやすく表現する

4)小手先のテクニックではなく、すぐれた独自コンテンツを生み出すことが何より大事

5)サイトのリンクを集めることは最重要項目の一つ
継続的にコンテンツを制作して人を集め、リンクが自然に増えていくと好循環でサイトを訪問する人が増えていく

キーワード検索は調べたことがなかったが、見てみると面白そうだ。
私はHP担当者などではないので、現状、実際に業務でSEO対策をすることもないが、先述のようなブラックSEOがはびこるのではなく、本書に書かれているように、SEOが優良コンテンツへと人々を導くために有益なものであるとよいと思う。