妊婦と読書 ― ことばは、今も。
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平川克美「グローバリズムという病」(東洋経済新報社)


昨今のグローバリズムが抱える問題点を説いた本。
時に歴史を紐解きながら現状を分析していく、という展開の仕方はどこかで読んだな、と考えてみたら、以前読んだ、佐々木俊尚氏のレイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)に類似しているのだった。
特に政治経済史に弱い私のような読者にとってはありがたく、「うすぼんやりと知っている」レベルのことを再学習できたような気がする。

筆者は別にアメリカ嫌いなのではないと繰り返し書いているが、あまりそうは感じられず、アメリカ・株式会社・安倍政権への批判を中心に、しばしばやや感情的になっているような節がある。筆者自らが書いている通り、論文というよりはエッセイと捉えて読んだほうがよいのだろう。
話題は多岐にわたっているが、本書を踏まえ、グローバリズムについて個人的に危機を覚えるのは下記の3点である。

・世界の画一化と文化の破壊
最近よく耳にする、「世界のどこにでも通用するグローバル人材」とはなんだろう。
英語でビジネスができる人材を育成するための教育は、何を犠牲にして成り立っているのだろう。
その裏には、ローカルルール、ローカル言語の軽視、破壊があるのではないだろうか。
グローバル化は文化の多様性の喪失と表裏一体の関係にありはしないだろうか。

・貧富の格差の拡大
株式会社は、経済が右肩上がりで成長し、投資した資本が増加することを前提として成立している以上、成熟した先進国の株式会社は新たなフロンティアとして発展途上国を目指していく。その結果が招くのは貧富の拡大である。(その詳細は本書参照)
更なる豊かさを求める株式会社が国民国家を貧しくしていく。

・非人間化
多国籍企業が求める経済合理性。安倍政権が目指す、「世界で一番企業が活動しやすい国」。
それを追求していくと、「残業代ゼロ法案」「解雇特区の設置」に代表されるように金儲けのために人間が犠牲となるような、本末転倒な結果に陥る。企業の金儲け、効率化のみを考えていくと、企業の方針はどんどん非人間的になっていく。

真の豊かさとは何か、これからの世界に求められるもの・人材とはなんであるのか、改めて考える必要がありそうだ。

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サン=テグジュペリ・著、二木麻里・訳「夜間飛行」(光文社古典新訳文庫)
何のために飛ぶのか。



薄暗く、重い印象を持たせる小説である。
命を懸けて夜間郵便飛行を行う男たち。一機の飛行機の墜落事故を通じて、その人間模様を描く。

新婚でありながら地上の幸せに別れを告げ、死への飛行を続ける悲劇のヒーロー、パイロットのファビアン。
自分の命の行方をパイロットのファビアンにゆだねるしかない、同乗者の通信士。
ひたすらパイロットの無事を祈って待つ、哀れな若き妻。
たった一度の小さなミスで解雇されそうになるベテラン工員のロブレ。
冷徹に人々を罰することで何とか自分の威厳を保とうとするものの、自らの無力さを知っている監督官ロビノー。

しかし、この小説の中でひときわ存在感を放つのはパイロットではなく、地上で全線路に責任を負う、社長のリヴィエールである。彼はひたすらパイロットたちの運命を抱えて生きるという宿命に苦悩しながらも、事故を最小限に抑え、事業を成功させるために、非人間的な指示をも出し続ける。夜間飛行では少しの気のゆるみが命取りになる。小さな恐怖心がパイロットをだめにする。そこで彼が出す指示は機械的で冷たいものになるのだ。
最後のシーンで彼は墜落事故があったのちも後発の便の出発を見送らず、事故死したパイロットがいる空に再びパイロット達を送り出す。自分の意志を貫くために。彼は自分の心の弱さに勝利したのだ、それが正しい判断なのかはわからないけれども。

今を生きる人間を犠牲にしてまでやり遂げなければならない事業とは何なのか。
彼らが飛び続けることの尊さはどこにあるのか。
本書は読者に深い問題を投げかける。

最も美しいのは、ファビアン達が死にゆくシーン。
彼は暴風雨の中で嵐の裂け目を見つけ、上空を目指す。そこにあるのは、満天の星、そして満月。しかし、ファビアン達は二度と生きて下界に戻ることはできない。まるで天国へと昇華していくような、絶望的な悲しい美しさである。
「食器と食パンとペン」オープニングトークセッション
最近お気に入りのブログに「食器と食パンとペン」というのがありまして。
安福望さんというイラストレーターさんが一日一首、好きな現代短歌に絵をつけて投稿する、というもの。
数か月前、引き寄せられるように偶然twitterを通じて、このブログと出会い、
落ち込んでいた時に、胸に響く短歌の数々と、その淡いイラストに癒されたのでした。

このブログが書籍化されると最近知り、しかもその発売イベントとしてトークセッションを
かもめブックスでやる、というので、これも何かのご縁、と昨日会社帰りに行ってきました。

安福さんはイラストのイメージ通りの、やわらかくて飾らない印象の素敵な女性でした。
もちろん本もゲットし、サインももらってきました♪

かもめブックスには初めて行きましたが、こじんまりとした中に置かれている本のセンスが良く、いろいろと衝動買いをしそうに…!校正会社さんが開いた本屋さんって、珍しいですが素敵ですね。

購入した「食器と食パンとペン わたしの好きな短歌」は、かわいい本なので、ゆっくりと眺めて味わって、またそのうち感想を書きたいなと思います。