妊婦と読書 ― ことばは、今も。
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土居健太郎「10年つかえるSEOの基本」(技術評論社)
SEOの具体的なテクニックなどが書かれている本ではなく、考え方をシンプルにまとめた本。
あっという間に読めてしまうので、私のような全くの初心者が概念を理解するのには良いが、既にSEOについてある程度勉強している人だと物足りないかもしれない。



SEO対策というと、以前問題になったDeNAのまとめサイトのように質の悪いコンテンツを大量に用意したり、キーワード検索に引っかかるよう、日本語が不自然でもよいからとにかくキーワードを大量にちりばめる、といった悪いイメージが強い。
しかし、この本は至極真っ当で、検索する人にとってよいサービスにしよう、質の高いコンテンツを充実しよう、ということを繰り返し述べている。
検索の仕組みもどんどん進化しているため、今後は質の悪いコンテンツ、いわゆるマジックハットSEOは機能しなくなっていく、というのが本書の主張だ。

本書のポイントをまとめると下記の通りである。

1)検索エンジンは「検索する人の質問に回答する仕組み」
SEOの基本的な取り組みは、検索する人にとって「回答」となるコンテンツを用意し、アルゴリズムの選定の結果、優先的に表示されるようにすること。

2)現在はSNSなど検索以外の流入経路が増え、また検索されるキーワードも様々
まず、ターゲットとする人がどのような背景において、どんなキーワードで検索しているのか知る必要がある。具体的なキーワードから、検索者のニーズをうかがい知ることもできる。

3)ページのタイトルが重要、meta descriptionにもキーワードを入れてわかりやすく表現する

4)小手先のテクニックではなく、すぐれた独自コンテンツを生み出すことが何より大事

5)サイトのリンクを集めることは最重要項目の一つ
継続的にコンテンツを制作して人を集め、リンクが自然に増えていくと好循環でサイトを訪問する人が増えていく

キーワード検索は調べたことがなかったが、見てみると面白そうだ。
私はHP担当者などではないので、現状、実際に業務でSEO対策をすることもないが、先述のようなブラックSEOがはびこるのではなく、本書に書かれているように、SEOが優良コンテンツへと人々を導くために有益なものであるとよいと思う。
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飯間浩明「三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から」(新潮文庫)
『三省堂国語辞典』の編纂者による、辞書エッセイ。
筆者の言葉に対する、そして何より『三省堂国語辞典』に対する熱い思いが伝わってくる一冊。



国語辞典にあまり興味がない人からしてみれば、辞書は皆同じに見えるかもしれないが、それは大きな間違いである。
それぞれの辞書にはそれぞれの編集方針があり、ターゲットがおり、こだわりがある。本書はまず、主な辞書の特長を紹介するところから始まる。

『三省堂国語辞典』の特長は、現代使われている言葉を、中学生にも分かりやすく説明しているということだ。
現代広く使われている言葉であれば、「www」も「ガン見」も「中の人」も辞書に載る。また、たとえば「的を得る」「汚名挽回」といった、よく使われるが従来誤りとされてきた表現(前者は「的を射る」、後者は「汚名返上」が正しい)も、状況に応じて辞書に取り上げる。
これらの新語や言葉の誤用、若者言葉などは、頭の固い学者なら、「言葉が乱れている」「誤った使い方だ」と切り捨ててしまいそうだが、筆者は頭ごなしに誤っていると否定するのではなく、用例を集め、状況を分析し、言葉の変化がなぜ生じたのかを調査し、その調査結果を辞書に反映させていく。その丹念な姿勢にはただただ感服、である。
そして、新語や誤用に関する筆者の解説を読んでいると、改めて言葉は生きており、日々変化しているということがわかる。

もちろん、筆者の調査対象となる言葉は、新語に限らない。たとえば「ライター」の語釈を書くために、実際にライターを買ってきて分解し、その構造を確認してみたり、「ゆべし」の語釈を書くために、実際にゆべしを食べてみたりと、一つの語釈を書くためにここまでするのか!と驚かされることばかりだ。

言葉を収集するためのツールが紙の「用例カード」からタブレットなどに変化した現在も、言葉に向き合う辞書編纂者の真摯な姿勢は変わらない。
単純なもので、このような本を読むと、もっと言葉を大切にしたいものだ、としみじみ思う。
最近はネットでささっと言葉を調べて満足してしまい、丹念に辞書を引く機会が減っていると思うが、もっと言葉を丁寧に扱う人が増え、筆者の努力が一般の人に伝わることを心から願う。