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川端康成「古都」(新潮文庫)
古都 (新潮文庫)古都 (新潮文庫)
(1968/08/27)
川端 康成

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数年ぶりに川端文学を読んだが、これぞ日本の純文学、と言わざるを得ない。特に大きな起承転結のある物語ではないが、ページを繰るたび、優美かつ繊細、たおやかで憂いを秘めた、静かな世界が広がる。

この物語には千重子という主人公がいるが、筆者は京都の四季折々の自然の美しさを丹念に描くことに力を注いでおり、むしろそちらが主題ではないかと感じるほどだ。
幹に生えたすみれの花にまで思いを馳せる千重子。帯のデザインの一つ一つを考えるために日々を費やす太吉郎。時間に追われてせかせかとした毎日を送る現代人から見ると、そんな時間はとても贅沢で豊かで、まるで別世界のようである。
そして、やわらかで心地よい京都弁の会話。決して饒舌ではない筆致から私がどこまで読み取れているかは不安だが、あらすじは下記のとおりである。

京都の呉服問屋の娘として美しく上品に成長した千重子。彼女は両親の愛情をたっぷり受けて育ったが、実は捨子であった。千重子は祇園祭の夜、自分にそっくりな村娘、苗子に出会う。実は二人は生き別れた双子の姉妹だった。呉服問屋の娘と、北山杉の丸太小屋に奉公をしている村娘。お互いをかけがえのない存在だと感じながらも、身分の違いから二人は一緒に暮らすことができない。
千重子は不自由なく成長したが、父太吉郎の家業は時代から取り残され、徐々に傾きつつある。そんな事情も踏まえ、機織の家の長男、秀男との結婚話が舞い込む。千重子は一生糸巻きをして過ごさなければならないのか―。
千重子と結婚できないと悟った秀男は苗子に求婚する。しかし、秀男は苗子自身を見てはいない。そこに千重子の面影を見ているのである。苗子は千重子の幻として生きなければならないのか―。

姉妹なのに千重子のことを「お嬢さん」と呼び、千重子に迷惑をかけまいと頑なに距離を置く苗子がいじらしく、悲しい。そしてそんな憂いさえも、この物語の中では美しい。
数奇な二人の今後の運命を占うような、最後の雪景色の朝の場面が印象的である。
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