妊婦と読書 ― ことばは、今も。
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姫野カオルコ「終業式」(角川文庫)
終業式 (角川文庫)終業式 (角川文庫)
(2004/02)
姫野 カオルコ

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登場人物たちの間で交わされる手紙やはがき、FAXだけで成立している、書簡小説。
読み慣れない形式の物語である上に、登場人物が多くてはじめは関係性を理解するのに苦労したが、慣れてくると、手紙を通してそれぞれの登場人物の人柄がくっきりと浮かび上がってくる。遠回しに誘いを断ろうとしていたり、自分の気持ちを抑え込んだりしているのが手紙から読み取れ、一般の小説にはない面白さにひかれて、一気に読んでしまった。
特に、結局投函されなかった手紙には相手に伝えられない思いが吐露されていて、それがそれぞれの本心を読み解く大きな鍵となっている。

描かれているのがちょうど私の親世代(アラ還)の高校生~30歳頃までのやりとりである。
文化祭に夢中になり、受験や進路に迷った高校生時代、一人暮らしをし、一気に生活の自由度が高まる大学時代、社会にもまれ、戸惑いながらも必死に仕事と向き合おうとする若手社員時代、そして結婚、子育てへ―と、多くの人が経験するであろう、平凡ながらもキラキラした日々を鮮やかに甦らせてくれるストーリーである。

特にこの小説の主人公と言える「悦子」は、当時の典型的な女性といえるのではないかと思われ、彼女からその頃の女性のあり方が透けて見える。
高校を出たら短大に進学し、卒業後就職した会社では、男性の補助的な仕事をさせられてやりがいが感じられずに苦しみ、仕事一筋の彼氏が理解できず、それでも決して自己主張をせず、奥ゆかしさが求められる女性。私たちの世代では経験したことのない苦労がなんとなく感じられるのだ。

LINEでの短いやりとりが中心の現代では、こんな奥深い思いのやりとりをすることはほとんどないだろう。(そういえば、ラブレターなんていうのも今はもう死語なんだろうな。)そう思うと手紙やFAXが行き交っていたこの時代がちょっぴりうらやましくなり、私も思わず手紙をしたためたくなってしまうのだった。
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