妊婦と読書 ― ことばは、今も。
本好きOLが妊婦になりました。妊娠生活と、読書記録を綴ります。
プロフィール

ようこ

Author:ようこ
本が好き!雑誌が好き!なアラサーOLです。

これまでの訪問者数

最新記事

カテゴリ

最新トラックバック

月別アーカイブ

最新コメント

フリーエリア

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

小川和也「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)
電車に乗れば、乗客は皆ひたすらにスマホをいじっており、読書や人との会話を楽しむ時間はスマホに置き換わってしまった。
スマートウォッチなどのウェアラブルにより、デジタルが限りなく人間の身体に近づき、ますます生活の中に入り込んでいく。
ニュースを見れば、現在存在する多くの仕事がデジタルに代替されるという。
急速なデジタルの発展により、時間、身体、そして仕事までがデジタルに浸食されていくような、言いようもない恐怖を覚えるのは私だけではないだろう。

というわけで、こちらの本を読破。



筆者は本書の中で最新のデジタルの開発状況を紹介しつつ、その危険性を説いていく。
私が特に恐怖を抱いたのは、次のニ点だ。
第一が、脳とデジタルの融合である。BCIという、人間の脳とコンピュータを接続する技術が発達すれば、人間が頭の中で考えるだけで、指一本動かさずにキーボードの操作やメールの作成が可能になるという。そしてもっと恐ろしいのが脳の記憶の複製だ。すでにラットの実験レベルでは、脳の記憶を他のメディアに複製したり、脳内の記憶を削除したりすることに成功しているという。これらの技術は難病や認知症の解決の手立てにはなりそうだが、一方でもはや脳とデジタルの垣根はなくなり、人間の脳までもがサイバーテロや犯罪などの恐怖にさらされることになる。

第二が、冒頭にも書いた、デジタルにより職業が奪われる危険性である。確かに、受付や電話対応、工場のラインなど比較的単純な作業がデジタルに置き換わった世界は想像するに難くない。しかし、本書によると、ロボット記者、ロボット小説家など、一見高度な創造性を強いられるような作業もロボットがこなせるようになるという。
では、職を奪われた人間はどうなるのだろう。人間はより付加価値の高い仕事に就く、というが、果たしてそのような雇用の場が多く存在するのだろうか。そもそも付加価値の高い仕事とは?
さらに、サイバー攻撃、電力の大量消費、ネット依存、仮想と現実の融合、など不安要素を書き連ねたらきりがない。

デジタルの発展により、果たして人間は進化しているといえるのだろうか。
ネット検索に慣れてしまった人間は、自分の足を運んで調べ、自らが情報や知識を蓄えることを怠る。
自動運転車に乗ることが当たり前になった人間は、自分の力で車の運転ができなくなる。
指一本動かさずにデジタルを操れるようになった人間は、指の動かし方すら忘れてしまうかもしれない。
これらは、むしろ退化といえるのでないだろうか。

便利さにあぐらをかき、考えることを放棄してしまったら、我々人間がロボットに支配される日がやってくる―。
これはもう、SF映画の世界だけの話ではないのだ。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://booksfan.blog.fc2.com/tb.php/33-3f02501c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)