妊婦と読書 ― ことばは、今も。
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伊集院静「駅までの道をおしえて」(講談社文庫)
大切な人とのかけがえのない時間、死、別れ、野球…それらをキーワードとした短編集。



気に入った話を2作紹介。

・「駅までの道をおしえて」
とても切ない物語。
愛犬ルーが死んだことを認められず、ルーの幻と毎日散歩をし続ける少女、サヤカ。
大事な息子が死んだことを認められず、一人さびれた喫茶店のマスターを続けるフセ老人。
そんな二人が一匹の犬を仲介に知り合う。
二人とも、心の奥ではわかっている。本当は、自分にとって大切な存在であったその人(犬)が、もうこの世にはいないことを。
どんなに待っていても、彼らは自分の前に二度と現れないことを。
「私は、神さまはいないと思う」
フセ老人のセリフが胸にずっしり響く。

女の子のセリフやキャラクターがいかにも作り物じみていて、話の展開もできすぎているのがちょっと残念だが、設定されている風景がとても美しい。
夏の海、青い草原、途中で切れた線路、死者との出会い…
まぶしくて目をそむけたくなるくらい、幻想的で清々しい風景。映像化したらきっときれいな作品に仕上がるだろう。

駅は生きる者と死んだ者を隔てる場所。電車は死者を天国に運んでいく。


・「シカーダの夏」
「二十歳の夏に再会しよう」 中学時代にそう約束して別れたひと夏の友人に会いに、「ぼく」は海辺の街へ向かう。
「ぼく」が思い出すのは六年前の夏のこと。
亡くなった母。草野球を通じて出会った少年たち。少年らをとりこにした、花の似合うまぶしい女の子、ヒマワリさん。必死の喧嘩。
果たして友人たちは元気にしているだろうかー。
これも海をはじめとする風景設定がとても美しく、映像向きの物語だと思う。
一方でこちらもキャラクターや話の展開がいかにも作り物なのがちょっと気になる。
戻らない少年時代を懐かしく振り返る青年の姿、そして、待ち合わせ場所に友人たちが集まってくるラストシーンでさらりと描かれる残酷な結末が、また切ない。

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