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池上彰・編「日本の大課題 子どもの貧困」(ちくま新書)
タイトルは「貧困」だが、書かれているのは貧困問題だけではない。本書では「多重逆境」という言葉が登場するが、まさにその言葉通り、児童養護施設をめぐる幾重にも重なった問題が浮き彫りにされている。(ゆえに本書のタイトルは適切でないように感じる。)



本書は大きく分けて2部構成になっている。

第1部は対談形式で、池上彰氏と児童養護施設の施設長である高橋利一氏の対話を通じて、児童養護施設の歴史や仕組み、直面している課題などを知ることができる。
何かトラブルが生じた場合、まず児童相談所が子どもを引き取り、そこでの判断によって子どもは児童養護施設に預けられることになる。現在児童養護施設は民間のものが中心だが、高橋氏の施設をはじめ、赤字経営のところも多く、一部の篤志家や企業の寄付などによって支えられているのが現状である。
驚いたのは、「子育ては親の責任だから、税金を使って子どもを育てるのはおかしい」と主張する人がいること。
確かに本来は親が責任を持って子育てをするべきだが、それが成り立たないケースもあることが問題なのであり、自己責任として処理してその問題を放置した結果、しわ寄せはすべて子どもにきてしまう。結果、何の責任もない子どもが犠牲になってしまうのだ。それを防ぐためには、社会的養護を維持しなければならないと思う。

第2部ではより学問的に子どもの社会的養護の問題が分析されている。
施設に子どもを預けることになった親たちのデータから、彼ら彼女らが抱える、生活保護、DV、精神疾患など多重の問題が浮き彫りとなる。中でも目を引くのは、子どもの父親の氏名すらわからないケースが24%もあることをはじめ、父親不在のケースが非常に多いことだ。施設に子どもを預ける親の8割が一人親であり、そのほとんどがシングルマザーである。
典型的なのは、もともと実家や親せきに頼れる人がいない状態の母親がDVなどを理由に離婚し、貧困や精神疾患に陥った結果、子どもを育てられなくなる、というケース。母親にばかり子育ての負担が重くのしかかって、つぶれていってしまう状況に女性としては憤りを感じる。
先の話に戻ってしまうが、それでもやはり「子どもを育てるのは親の責任だから援助はいらない」と言えるだろうか。

とはいえ、まずは児童養護施設に預けられる子どもを減らしていくのがベストである。親せきや地域とのつながりが薄まっている現在、国や自治体が親子を支え、社会的養護なしでも幸せに暮らしていける環境をととのえていくことが求められている。
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