妊婦と読書 ― ことばは、今も。
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神田茜「ぼくの守る星」(集英社文庫)
ディスレクシア、という言葉を聞いたことがあるだろうか。
難読症、つまり文字の読み書きを極端に苦手とする学習障がいのことである。
そんなディスレクシアの少年が主人公の小説があると知って、さっそく読んでみた。



しかし、ディスレクシアのことだけを知りたいと思って読んだ人にとっては少し予想はずれの小説かもしれない。
本書は、ディスレクシアの少年、翔を主人公を中心に、誰かに認められたいと必死にもがく人々を描いた、連作短編小説となっているからだ。
言い間違いや読み違いが多く、うけをねらっているわけではないのに、クラスメイト達に笑われることに苦しむ翔。高校受験を目前に翔は将来の不安や母親との関係性にも向き合わざるをえない状況となっていく。
そんな翔の母親、和代は翔の障がいを未だに直視できておらず、さらには母親との確執、不在にしがちな夫、「勝ち組」だった自分の過去を抱えながら、虚勢を張って生きている。
翔の父親は仕事一筋で生きていくうちに家庭での居場所を失ったうえ、仕事でも挫折感を覚え、人生につまずきを感じている。
翔のことをちゃかしてばかりの山上は、亡き姉のことばかりにとらわれている両親のもとで、自分の存在価値を見いだせないでいる。
翔のクラスメイトで引っ込み思案のまほりは、無理心中未遂をはかった母親とともに暮らしながら、自殺の計画を立てている。

翔のまわりにいる人たちの状況がそれぞれシリアスなので、あまりに設定が暗すぎやしないか?とも思ったが、そんな自分の居場所を求めている人たちが、主人公翔のやさしさによって救われていくさまが温かい。そして、そんな人々を守ることによって翔自身もまた、自分の存在意義を見出していくことになる。
月並みだが、障がいの有無とは関係なく、人は支えあっていきているということに気づかせてくれる作品である。
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