妊婦と読書 ― ことばは、今も。
本好きOLが妊婦になりました。妊娠生活と、読書記録を綴ります。
プロフィール

ようこ

Author:ようこ
本が好き!雑誌が好き!なアラサーOLです。

これまでの訪問者数

最新記事

カテゴリ

最新トラックバック

月別アーカイブ

最新コメント

フリーエリア

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

飛鳥井千砂「サムシングブルー」(集英社文庫)
サムシングブルー (集英社文庫)サムシングブルー (集英社文庫)
(2012/06/26)
飛鳥井 千砂

商品詳細を見る


欧米の結婚式のおまじないに、サムシングフォーと呼ばれるものがある。
花嫁が4つのアイテムを身につけると幸せになれるというのだ。その4つのアイテムとは、何か古いもの、何か新しいもの、何か借りたもの、そして、サムシングブルー、すなわち、何か青いもの、だ。

主人公の梨香は広告代理店で働く27歳。恋人と別れた翌日に、なんと高校時代の元彼・謙治と親友・沙希ちゃんの結婚式の招待状を受け取る。二人が付き合っていることすら知らなかった梨香はショックを受けながらも、当時の体育祭のメンバーと「サムシングブルー」を贈ることになる。
高校時代はとても仲良しだったのに、謙治とは喧嘩別れをし、沙希ちゃんとは自分から縁を切ってしまった梨香。
苦しみながら、悩みながら、それでも少しずつ自分の心と向き合っていく。

高校時代のシーンと現在のシーンを行き来しながらストーリーは進む。
高校時代の描写は、とてもまぶしい。初めてできた彼氏、高校生活最後に皆で協力して作った、青団のブルーの旗。仲良しの仲間との他愛ない会話。それは社会人になった今ではもう二度と体験できないキラキラした日々だ。

さすがに梨香ほどの不幸に見舞われる人は少ないと思うが、多くのアラサー女性はこの小説に共感できるんじゃないだろうか。
女同士の気遣いのし合い(面倒くさい!)。かつての友人と、正規・非正規の雇用の差や職業の違いを痛感する瞬間。結婚式で先に幸せになっていく友人たちを見続ける、独身女の複雑な心境。そしてもう高校生の頃には戻れないという、どうしようもないさみしさ。
そんな、私たちが日常で感じる、些細な心の動きをとってもリアルにとらえているのだ。
その上、日常の小さな描写にもとてもリアリティがある。
たとえば、郵便受けをのぞくとどうでもいいチラシにまぎれて結婚式の招待状が入っていて、その後ピンポンが鳴ったので出てみたら、宗教の勧誘だった、というような。
梨香の友人も、いかにも身の回りに「いそう」な人たちばかりで、ああ、わかるわかる、いるいる、こんな人!と共感できるはず。

そして最後は必ず前向きな気持ちにさせられるので、飛鳥井千砂さんの作品は好き。

最後に梨香は謙治や沙希ちゃんと、どんな言葉を交わすのだろう。
そんなことを想像しながら本を閉じた。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://booksfan.blog.fc2.com/tb.php/7-4ffe28e1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)