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飯間浩明「三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から」(新潮文庫)
『三省堂国語辞典』の編纂者による、辞書エッセイ。
筆者の言葉に対する、そして何より『三省堂国語辞典』に対する熱い思いが伝わってくる一冊。



国語辞典にあまり興味がない人からしてみれば、辞書は皆同じに見えるかもしれないが、それは大きな間違いである。
それぞれの辞書にはそれぞれの編集方針があり、ターゲットがおり、こだわりがある。本書はまず、主な辞書の特長を紹介するところから始まる。

『三省堂国語辞典』の特長は、現代使われている言葉を、中学生にも分かりやすく説明しているということだ。
現代広く使われている言葉であれば、「www」も「ガン見」も「中の人」も辞書に載る。また、たとえば「的を得る」「汚名挽回」といった、よく使われるが従来誤りとされてきた表現(前者は「的を射る」、後者は「汚名返上」が正しい)も、状況に応じて辞書に取り上げる。
これらの新語や言葉の誤用、若者言葉などは、頭の固い学者なら、「言葉が乱れている」「誤った使い方だ」と切り捨ててしまいそうだが、筆者は頭ごなしに誤っていると否定するのではなく、用例を集め、状況を分析し、言葉の変化がなぜ生じたのかを調査し、その調査結果を辞書に反映させていく。その丹念な姿勢にはただただ感服、である。
そして、新語や誤用に関する筆者の解説を読んでいると、改めて言葉は生きており、日々変化しているということがわかる。

もちろん、筆者の調査対象となる言葉は、新語に限らない。たとえば「ライター」の語釈を書くために、実際にライターを買ってきて分解し、その構造を確認してみたり、「ゆべし」の語釈を書くために、実際にゆべしを食べてみたりと、一つの語釈を書くためにここまでするのか!と驚かされることばかりだ。

言葉を収集するためのツールが紙の「用例カード」からタブレットなどに変化した現在も、言葉に向き合う辞書編纂者の真摯な姿勢は変わらない。
単純なもので、このような本を読むと、もっと言葉を大切にしたいものだ、としみじみ思う。
最近はネットでささっと言葉を調べて満足してしまい、丹念に辞書を引く機会が減っていると思うが、もっと言葉を丁寧に扱う人が増え、筆者の努力が一般の人に伝わることを心から願う。

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