母の本棚、子どもの本棚 ― ことばは、今も。
本好き母が、自分で読んだ本、子どもに読んであげた本を紹介します♪妊娠中の記録も。
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本が好き!雑誌が好き!な30代OLです。2018年3月、男の子を出産、母親になりました。

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田村正之「”税金ゼロ”の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資」(日本経済新聞出版社)


以前、「ライフ・シフト」を読んで、これからの長寿社会において資金計画が重要であること、そして日本人は投資に消極的でマネーに関する知識に乏しいことを痛感し、つみたてNISAやイデコにトライしてみようかと思い、購入。
本書ではつみたてNISA、一般NISA、イデコ、企業型確定拠出年金などについて初心者向けに広く浅く紹介されている。ただ、一部説明が不親切だなと感じる部分があったり、情報があちこちに散らばってしまったりしているので、まったく何の情報も知らずにいきなりこの本を読むと厳しいかもしれない。また、信託それぞれの特徴や選び方などはそこまで詳しく書かれていないので、では実際に何の商品を購入するか、という段階になったらこれ一冊だけだと不安がある。本書をもとに金融機関のサイトなどを見ながら検討を進めていきたいと思う。

瀬尾まいこ「春、戻る」(集英社文庫)


結婚を控えた主人公のさくらの前に突然、兄だと名乗る男の子が現れる。どう見てもさくらより年下であるその男の子は、自分が兄だと言い張り、さくらの結婚相手となる予定の「山田さん」の営む和菓子屋を「偵察」したり、花嫁修業としてさくらに料理を教えたり。さくらと山田さんを遊園地デートに連れ出したりと、さくらの生活の中に強引なまでに溶け込んでいく。

男の子の正体を書いてしまうとネタばれになってしまうので、ネタばれにならない程度に感想を。

結婚前の女性に謎の若い男がまとわりついてくる、という設定は普通に考えたら和やかな話ではない。さくらのアパートの前で待ち伏せするという「おにいさん」の行為はストーカーだと言われても仕方がない。しかし、なんだかんだ言いながらもさくらはわりとすんなりと「おにいさん」の存在を受け入れている。山田さんに関してもそうだ。自分と結婚する予定の女性にまとわりつく男性がいたら、ふつうの男性は心穏やかでないものだろうが、山田さんもこの奇妙な人間関係を素直に受け入れてしまう。そのほか登場人物みなが異様なまでに善人、というのは瀬尾まいこ氏の他の作品にも共通してみられるある種のファンタジーである。さくらが封じ込めてしまった過去を乗り越えて進んでいく、という展開には晴れ晴れするが、この話の「オチ」の部分もあまりに善意に満ちていて、いやいやありえないでしょう、とつっこみを入れたい気持ちを否定できない。
全体的に現実味がない話といえばそうだが、疲れた時に読むとほっと心が和むかもしれない。
野村浩子「女性に伝えたい 未来が変わる働き方」(KADOKAWA)


女性が働くということについて、様々なデータや取材を通じ、あらゆる方面からつづった本。仕事と家事・育児、専業主婦、総合職と一般職、正規雇用と非正規雇用、シングルマザー、起業家、これからの働き方、と非常に幅広いテーマで現状がとらえられており、とても勉強になる。筆者は元「日経WOMAN」編集長ということだけあって、共感、実感できる部分が多く、興味深かった。
特に印象に残った点を下記に箇条書きする。

・長時間労働が常態化している職場ほど子育て社員が浮いてしまうので、まずは長時間労働を是正しなくてはいけない。 →これは実感できる。忙しい職場では定時で帰るだけで目立ってしまうので、いわんや子育て中の時短勤務社員をや、である。
・日本人女性は他国と比較して家事労働に時間を費やしすぎている。 →これも実感としてある。もっと楽をすることが当たり前になってもよいのではないか。しかし本書で紹介されている香港の例のように家事を外国人ヘルパーに任せるというのは果たして良いことなのだろうか。先進国の女性のために途上国の女性が犠牲になる女女格差につながらないか?と少しひっかかった。
・もはや専業主婦はあこがれの存在。「VERY」の読者ですら2人に1人が働いている。→男性社員の賃金が下がり続けている今、専業主婦でいることは難しく、「ぜいたく品」となりつつある。
・主婦パートが扶養の枠内で働くために「就業調整」することが、パート社員が低収入での就業を続けることになる遠因となっており、独身女性パート、男性パートの生活困窮を招いている。
・一般職と総合職の差がなくなってきている。 →地域限定総合職などの中間職や一般職から総合職への移行が増えている。

男女雇用機会均等法が施行されてからのこの30年間の女性の奮闘ぶりをまとめた章も興味深く、我々下の世代に道を切り拓いてくれた先人たちには頭が上がらない。
そして、今後の女性の働き方を考えるうえで心配なのが、一般職やパートが請け負っている定型的な仕事が人工知能に置き換わっていくのではないかということだ。人工知能の広まりにより、特に女性の雇用にまず影響が出そうなので心配である。

働く女性の現状分析の本としてはとても面白いが、これからの働き方に関する提言の部分が少なく、特に目新しい情報もないので、タイトルと内容がマッチしていない気がした。女性の生き方が多様化して良い面もあるが、ワーキングマザーと専業主婦、既婚者と未婚者のどちらも生きにくさを感じるようになっている面もあるような気がする。各々がより自分らしく、よく生きられる社会になると良いなと思う。
河合隼雄・立花隆・谷川俊太郎「読む力・聴く力」(岩波現代文庫)


心理・ノンフィクション・詩の大御所三人による、「読むこと、聴くこと」をテーマとした講演とシンポジウムを書き起こしたもの。それぞれの職業によって「読むこと、聴くこと」の捉え方が異なってくるのが面白い。

臨床心理学者の河合隼雄氏にとって「聴く」のは「本職」。ただ、その聴き方として「ぼんやり聴いている」というのは驚きである。言葉一つ一つにとらわれていると本当に大事な部分を逃してしまうので、クライアントの言葉とは違うほうに注目するのだという。素人にはいかにも難しそうで、聴くのにはエネルギーがいるという話に納得である。また、クライアントの状況を感覚的に判断する「芸術的判断」や「勝負師」としての出方も必要だということだが、心を病んでいる人相手の対応として大丈夫なのか?とこれまた素人感覚では危うさをも感じさせる「聴き方」だなと思った。

ノンフィクション作家の立花隆氏は子どものころからかなりの読書家だったという。彼は一冊の本を書くために百冊を読み、さらに取材をして「根掘り葉掘り聴く」という。その「聴き方」は河合氏のそれとは大きく異なり、情報、知識を得て理解し、アウトプットするための手段である。

講演の代わりにアンソロジーを寄せた谷川俊太郎氏は、さらに立花氏とは異なり、本を読んでそのアウトプットとして詩が生まれる、ということはない、という。詩とは言葉にならないものを日々インプットし、それを言語としてアウトプットするものだという。確かに詩というと感覚的な印象があり、情報とはまた異なるもののアウトプットの手段なのだろうと思った。

後半部分は谷川氏が司会を務めたシンポジウムとなっている。その話題は各人の子どものころの読書体験からインターネット時代の「読むこと」に関することまで幅広い。特に、インターネット社会では情報が平面的にも深さとしても広がっているが、そのすべてを読むことはできないので、あとは偶然の出会いや各々の経験と知恵による「俯瞰する能力」次第だ、という話は興味深かった。
河合氏と立花氏との間で話が盛り上がり、途中で「仕切りにくい」と谷川氏が苦言を呈している場面などもあり、面白い。でもこういった講演はやはり生で直接「聴く」のが最も良いのだろう。

プレジデントウーマン 2018年4月号(プレジデント社)


テーマは「働き方は3年ごとに見直そう!」。
転職、起業など、いくつかのキャリアチェンジをした女性たちの経験談が多く掲載されていて、私もしっかりキャリアを考えなくては、という気にさせられる。ただ、ハイスペックすぎる人が多くて、あまり参考にならない面も。
単なる転職だけではなく、ボランティア、副業など、より生活を豊かにできそうな生き方のヒントがちりばめられているので、その点は興味を持った。
また、子どもを持つ身としては、管理職の女性のタイムマネジメントの記事に関心を持ったが、 育児でシッターを活用したり、親戚に介護をお願いしたりして乗り切っている例しかなく、タイムマネジメントの紹介にはなっていないところが残念。家事の時短術などが知りたかったが、そんなレベルでは乗り越えられないということか。
そして、出産時期が「早めママ」と「遅めママ」の比較では、アラサーで出産した女性が「早め」と紹介されていたり、前述の女性たちのエピソードの中でも40歳過ぎに出産をしている人が散見されて、特にキャリア重視の女性だと出産の時期が遅れるのかしら、と感じてしまった。